二世帯住宅とは、親と子の二世帯が同じ家に住みながらトイレや台所を別に設けるなど、それぞれの独立性を保つように設計された住宅を指します。
親との同居など、一見ハードルが高く思われがちですが、今はトイレやお風呂などの設備から玄関に至るまですべてを完全に分けて住む二世帯住宅も増えつつあります。
ですが、二世帯住宅を作るにあたって気になるのがその費用。今回はそんな二世帯住宅にかかる費用について、
・二世帯住宅にかかる価格相場
・お金に関するメリット&デメリット
・ローコストで素敵な間取りを作る方法
・おススメの間取り紹介
などを詳しくご紹介します!
そもそも二世帯住宅にかかる相場価格って?
二世帯住宅を新築する場合の予算平均はおよそ約3,000~4,000万円ほどのようです。
二世帯の場合、完全分離型にするか同居型にするかといったタイプも様々ですし、そもそも新築ではなく実家をリフォームする場合もありますのでそのタイプによって費用は大きく変わってきます。
まず一番費用を抑えられるのが完全同居型。こちらは新築で二世帯ではない普通の家を建てる場合とほぼ費用は変わりません。
逆に一番費用がかかってしまうのが完全分離型。費用の目安としては、一世帯の家の建築費の1.5倍~1.8倍になります。
平均坪単価50万円として、30坪~40坪で完全分離型の二世帯住宅を建てた場合、およそ2,300万円~3,600万円ほどの費用になる計算になります。その上で、設備のグレードアップをしたり、玄関前にスロープをつけてバリアフリー化するなどオプションをつけるとその分費用は加算されてしまいます。
二世帯住宅を建てるお金に関するメリット&デメリットは?
いろんなタイプがあるため、最近では同居というハードルが低くなり人気が出てきた二世帯住宅ですが、それぞれメリット・デメリットをそれぞれまとめてみましょう。
【メリット】
なんといってもお互いの生活を見守り、支え合うという大きなメリットがあります。
親世帯の生活のサポートができる
親世代にとっては一緒に住むことで老後の心配が軽減されます。
介護とはいかなくても普段の生活で家の掃除や電球の取替えなど小さな不便を子供世帯がカバーしてくれます。
育児やそれに伴う出費の助けになる
子供世帯にとってはこれから家族も増え、お金がかかる時期。
食費なども共有することで大きな節約になりますし、親世帯が孫の面倒を見てくれることでお母さんは職場復帰も出来ます。
税金などの助成制度がある
二世帯にするにあたって、国からの補助や減税制度というものがあります。具体的には不動産取得税の軽減や土地と建物の固定資産税の軽減など。
不動産取得税では、新築住宅の場合は不動産価格から1,200万円の控除した上で税率を乗じることになりますが二世帯住宅の場合は、1,200万円の控除が2戸分受けられます。
また、土地と建物の固定資産税の軽減については、二世帯住宅の場合2戸分が適用され、さらに新築住宅の場合は最初の3年間に固定資産税が1/2となります。
【デメリット】
プライバシーを保ちにくい
完全、または部分同居の場合、プライバシーを保ちにくいというデメリットがあります。
また、生活面でも掃除の仕方やキッチンの使い方など合わない部分があると気疲れしてしまうかもしれません。お金の面でもローン返済や月々の電気代支払いなど、二世帯住宅にする前にきっちりはなしあっておきましょう。
建築費用が2倍かかる
では完全分離型なら問題ないのかと言うと、そうでもありません。
完全分離型はまず費用面が2倍かかってしまう上、浴槽やトイレ、キッチンなどの設備も2倍かかってしまいます。
同居後の金銭トラブルの可能性もあり
完全分離型の場合、同じ敷地内に2軒建っている状態なので事前に確認しないと電気・ガス・水道などの光熱費の請求がひとまとめになっていることもあるそう。
メーターの設置費用や基本料金がそれぞれかかってしまいますが完全に分けるか事前に話し合いが必須です。
二世帯住宅の間取りをローコストで!費用を抑える秘訣を大公開!
それではメリットデメリットが分かったところで、本題の費用についてご紹介していきましょう。ローコストで抑えるための秘訣を詳しくご説明します。
自分のこだわりをなくしシンプル設計に!
二世帯住宅とはいえやはりマイホーム。どうしても各々のこだわりが出てしまうものです。それが一つや二つで済めば良いですが、住む人の人数分のこだわりを全て叶えようとした場合、費用も敷地もどんどん足りなくなってしまいます。
まずは生活する上でお互いの世帯が絶対に外せないものを優先し、妥協できるものなのかそうでないのかを見極めることが大切です。
個室を一つ増やすだけで、それに必要な壁やドアなどの建具分費用がかかってしまいます。例えば、書斎などの個室はスペースが取れないけど、リビングの一角にコーナーとして作ればその分費用は浮くのです。こだわりはできるだけ少なく、シンプルな設計にするのがローコストで抑える秘訣といえます。
ハウスメーカー選びに慎重になる!
ハウスメーカー選びも、ある程度下調べをしてから選択するのがオススメです。
二世帯住宅を手がけているハウスメーカーは多いため、どう選べは良いのか迷うかもしれません。ですが、しっかり調べるとこのハウスメーカーは設備が充実している、コスパが良いなど様々な特徴があるので、安易に住宅会社を決めずに、しっかりと情報収集をして、自分の理想の家を実現する住宅会社を見つけることが大切です。
共用スペースを増やす
言わずもがなですが、二世帯住宅の中で一番費用を抑えられるのは完全同居型です。キッチンやトイレ・お風呂などの設備が一つで済むだけで数十万単位で費用が変わってきます。
完全同居はちょっとハードルが高いという場合は、リビングや玄関を共有にするだけでも費用を抑えることができます。実際親世帯と子世帯の生活スタイルが違っている場合、意外と玄関で鉢合わせしたり料理の時間が被ることもない場合があります。
ご自身の家庭ではどういうタイムスケジュールで生活されているのかチェックしたうえで共有できる部分は共有にしてしまうのも手ですね。
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タマホーム
タマホームは「ローコストメーカー」としても注目を集めています。その安さは業界最安値とも言われており、坪単価は25.8万円~26万円ほど。
通常では施工を下請け業者に依頼することがほとんどですが、タマホームでは徹底したコストダウンを実現させる為に、仲介業者を挟まずに、直接業者から仕入れることでコストダウンを図っています。
他にも工期を短縮することで人件費を削減したり、郊外型展示場を作ることで、様々な経費削減を行ったりと様々な面でコストダウンを実現しているのがポイントです。
実際にタマホームで二世帯住宅を建てられた方の情報では、家の価格が2,200万円、土地代が2,100万円、地盤改良に外構、その他もろもろで4,800万円といった方や、土地が限られていた為、玄関を2つ造ることはできなかったものの、建築費用は50坪で1,700万円台だったというクチコミがありました。
アイフルホーム
アイフルホームは住宅業界では最大規模のフランチャイズチェーンの会社です。フランチャイズチェーンの先駆けとも言える会社で、代理店は全国250店舗を超え、現在の正式名称はLIXIL住宅研究所となっています。
大規模なフランチャイズを活かし、LIXILの設備・内装を多く使用することによって仕入れのコストカットをしているのが特徴です。そんなアイフルホームの二世帯住宅ですが、家族みんなが幸せに暮らせる二世帯住宅として『ハッピーハーモニー』といった商品が用意されています。
完全分離タイプで建てる場合は、建物本体価格だけで約2,000万円前後、完全分離型二世帯によるコストアップで約300万~500万円程度、付帯工事費として約300万~500万円程度はかかるといった情報もあります。
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60坪3階建て二世帯住宅
こちらはアイフルホームの二世帯住宅プラン。60坪南玄関の独立型になっており、1階が親世帯で2・3階が子供世帯になっています。
親世帯の生活スペースは11.8帖のLDKに6.4帖の寝室と夫婦2人なら広々と使えそうです。子世帯は18.8帖の広々LDKに6.7帖の夫婦の寝室、3階は15.7帖の子供部屋と、多目的に使えるファミリースペースも設けられています。子供部屋は将来2部屋に分かれるよう設計されているので家族が増えても安心ですね。
55坪 3階建て二世帯住宅
こちらもアイフルホームの二世帯住宅プラン。55坪で玄関と浴室は二世帯共有となっています。親世帯は13.9帖の広々LDKに7.9帖の寝室。LDKとひとつづきになるように来客用のタタミコーナーも設置されています。子世帯は25.7帖の広々としたLDKが2階にありファミリースペースも別に設けられています。3階は7.9帖の主寝室に13.3帖子供部屋があり、こちらも将来2部屋に区切れるようになっています。また、各部屋以外の共有スペースには勉強コーナーもあり、家族団欒の場にも役立ってくれそうですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
一番気になっていた費用に関してもおおよその相場をつかめたのではないでしょうか。思っていたよりもコストを抑える方法もあり、二世帯住宅が気になっている方もハードル少し低くなったかもしれません。
ですが、二世帯に限らず住宅は一度作ってしまえば作り変えはなかなか難しいもの。階数や間取りなど、互いの家族同士でよく話し合って、お互いが悔いのないよう素敵な家づくりを目指してくださいね。